2022.3.31

飲食店経営で夢の実現のために~飲食店経営者を理解しましょう~

飲食店を経営されている皆様、これから開業されて飲食店を経営する予定の皆様、初めまして、飲食店専門の公認会計士・税理士の梶田です。

これから飲食店経営に関する記事を随時更新していき、皆様が飲食店を開業する際や経営にお困りの際にご覧いただけるような記事をのせていきます。

今回、最初のコンテンツということで、『事業計画書の作り方』・『開業に必要な書類』・『資金調達方法』など、記事にしていきたい題材が数多くありました・・・・・・(今後記載予定)そのような中で、飲食店に限らず、開業される方、全ての方に知っておいてもらいたいこと・考えて頂きたいことをタイトルとさせて頂きました!

飲食店経営での夢を実現するために

 

夢の実現

創業=夢の実現への第一歩です!というと皆様はどのように思いますか?

開業する方にお話を聴くと、この問いかけに対する答えは様々です。

『まず1店舗目を何とか軌道にのせたい。』『3年後には2店舗目を出店していたい。』など一人一人想うことがあるかと思います。飲食業という事業を営むことになりますので、提供する料理だけではなく、これからは資金・人材・販売促進など様々な課題に直面することとなります。この直面する課題を予測し、克服していきながら、ご自身の夢の成長をイメージして頂き、実現可能な夢かどうか、ストーリーを描いてみることが大切です。

 

Step.1 飲食店開業に向けた行動をする前に以下のことを確認していきましょう

 

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① 経営者になる覚悟はありますか?

飲食店開業=経営者になる、ということを意味します。飲食店を開業される方の多くは、何年も別の飲食店での下積み経験を経て、料理のプロフェッショナルとなっており、ご自身の料理に自信がある方が非常に多くいます。

ただし、経営者として経験がある方はほとんどいません。経営者には、3者(消費者(商品・サービス)、関連業者、従業員)に対し最終責任を負います。従業員の給料を払えなければ、従業員とその家族の生活が不安定になってしまいますし、売上を頂くお客様に対して提供する商品・サービスについて問題があれば、最終責任を負います。

お店で起こる全ての事柄について、誰かのせいにすることはできません。誰の指示を受けることなく。自分の得意な料理に打ち込みたいというだけではなく、自分が経営者となる意欲と覚悟、そして知らない知識を学んでいくことが大切です。

② 自分の夢を人に話せますか?

自分がどんなお店をやっていたいか、また10年後20年後には、どうなっていたいか、これを開業当初に考えておくことは非常に重要です。(余談ですが・・・開業されてからは店舗運営が忙しくなるため、ゆっくり考える時間がない方が多いです。)

飲食店開業におけるコンセプトシートをつくる前段階として、言葉にして人に伝え始めることで、自分自身でも夢が明確になり、また大切なアドバイスも周りからもらえることとなります。何となく開業するのではなく、従業員・消費者を惹きつける夢をもって開業しましょう!

③ 自分自身のお店を世の中は必要としていますか?

自分自身がその気になっていても商売である以上、消費者が望んでいるお店でなければビジネスとしては成り立ちません。またいくらお金儲けができる飲食店でも、道徳や法律に抵触するようなお店では、社会的に問題があります。自分自身のお店が、消費者からどのように喜ばれるのか、社会的にどのように貢献できるかを、開業前によく考えておきましょう。

④ 事業資金と自分のお金の区別ができますか?

飲食店開業する際に最も大事なことの1つは、お金の管理方法です。

よく飲食店で陥ってしまいがちなのが、事業資金と自分のお店のお金の区別が曖昧となることです。お金の管理方法が曖昧になってしまうと、飲食店という事業で儲かっているか否か直感的にわかりにくくなってしまいます。

公私混合はNG、この言葉を常に頭に入れて頂き、開業の準備にとりかかりましょう。具体的な方法は、後日別の記事で記載します。

⑤ ルールを作ったり守ったりできますか?

飲食店経営者は、お店のルールをつくったり、それを消費者や従業員に守らせていく必要があります。他人にルールを守ってもらうのに、自分がルールを守らなくて良いでしょうか?

当然、自分でつくったルールすら守れない人に、人はついていきません。店舗での自分の行動は全て誰かに見られています、飲食店開業する前に、自分自身でルールをつくる、つくったルールを守る責任があることを自覚しましょう。

次のチェックリストで、自分自身の想いや経営者としての基本姿勢で足りない部分がないかを確認していきましょう。(チェックリスト⑥~⑩は説明は割愛します。ご要望があれば加筆しますので、コメント欄にご記載ください。)

確認項目 (〇×で回答)
① 経営者になる覚悟はありますか?
 
② 自分の夢を人に話せますか?  
③ 自分自身のお店を世の中は必要としていますか?  

④事業資金と自分のお金の区別ができますか?

 
⑤ ルールをつくったり守ったりできますか?  
⑥ 自分自身の信念はありますか?  
⑦ 飲食店経験・技術・ノウハウはありますか?  
⑧ 消費者を満足させる料理を提供したいと思いますか?  
⑨ 共に飲食店を経営する仲間は居ますか?(または1人で始める?)  
⑩ 精神面・体力には自信がありますか?  

上記10項目がすべて〇になれば、あなたの飲食店開業準備は次のステップに進めます。まずは自分自身ですべての項目が〇になるまで考えましょう。

 

Step.2 10年後、20年後の飲食店経営でなりたい姿を描きましょう

 

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多くの飲食店の開業に関わっていく中で、一番多く感じることは「飲食店開業=夢の実現」となり、その後の事業展開を想定していないケースです。最も大事なことは、開業して、飲食店経営で何を実現したいかです。

長く大変な下積み経験を経ている方にとっては、開業は一つの目標ではありますが、飲食店経営で実現したい姿はその先にあるはずです。

 

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例えば「自分の作った料理で多くの人を幸せにしたい」と考えられているのであれば、そのために5年後には3店舗は出店したいな、従業員は10名雇って、ボーナスも支払ってあげたいな、というように具体的なものにしていくことで、飲食店経営で実現したい姿を描くことができます

上記のように飲食店経営で実現したい姿が明確となったタイミングで、コンセプトシートの作成や簡易版事業計画書の策定にとりかかりましょう。

 

飲食店開業の流れ徹底解説はこちら

>飲食店の開業資金の目安と知るべき3つのポイント

 

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▶ 筆者紹介

飲食店専門 公認会計士・税理士 梶田将隆

Maruto_Masataka

国立大学卒業後、27歳で公認会計士登録。大手監査法人で金融機関及び製造業を中心に幅広く、かつ数多くの上場会社の監査を担当。その経験を活かし会計指導の他、在庫管理及び原価管理方法などの制度会計以外のアドバイザリー業務を行う。また、セミナー講師も担当し80名の経理担当者から高評価を得る。

コロナ禍においては各種給付金の申請サポートで100店舗以上を無料で実施。現在は飲食店専門の公認会計士・税理士として開業時の事業計画書の作成支援から、その後の会計顧問まで受嘱している。