2022.3.31

【飲食店開業に必要な資格と届け出】開業前には必ず確認

これから飲食店を開業しようと考えている皆様。飲食店を開業するにはいくつかの資格や届け出が必要となります。資格取得のための講習は平日え1~2日、地域によっては月に1度しか開催されないなど、オープンギリギリになって焦らないように予め計画的に進めて行く必要があります。

飲食店開業に必要な資格は2つ

飲食店開業に必要な資格は2つ。「食品衛生責任者」と「防火責任者」の2つになります。

食品衛生責任者

こちらの資格は、試験や面接などがあるわけではなく、受講することで資格が与えられます。店舗に必ず一人はこの資格を有する者を設置しなければなりません。また、同じ者が複数の店舗の「食品衛生責任者」になることはできません。食品衛生協会で行われる約6時間程の講習で資格取得でき費用は約10,000円かかります。

食品衛生責任者になるためには、以下の資格を有する必要があります。

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① 食品衛生監視員、食品衛生管理者となる資格のある者。

② 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、と畜場法に規定する衛生管理責任者若しくは作業衛生責任者、食鳥処理衛生管理者。

③ 食品衛生責任者養成講習会を受講した者。その他市長が別に定める者

 

多くの方は、③の受講によって資格を得る方が多いと思います。食品衛生責任者の資格がなければ、保健所による「営業許可」も取得できないので早めに資格を取得しましょう。

防火責任者

続いて「防火責任者」です。店舗の収容人数が30名以上の店舗の場合、防火管理者の資格を持った人が一人必要です。こちらも従業員の中で誰か一人が資格を持っていれば問題ありません。

no_name店舗の収容人数30名以上の場合、床面積に広さに応じて、資格が2つにわかれます。

・店舗床面積300平米以上・・・甲種防火管理者

・店舗床面積300平米未満・・・乙種防火管理者

ただし、甲種防火管理者の資格を有する場合、乙種防火管理者の資格は不要です。それぞれ、甲種は2日の講習で、乙種は1日の講習で取得可能です。費用は、甲種が6,500円、乙種が5,500円となります。こちらは日本防火・防災協会で取得することができ、消防署に申請が必要です。

 

開業に必要な届け出10種

 

食品営業許可 ~ 保健所

飲食店を開業するには、都道府県知事から営業許可を得る必要があります。

営業許可を取得するためには、許可を受ける施設の所在地を管轄する保健所に申請を行い、その施設が食品衛生法で定める基準を確認して、条例で定める基準に適合する必要があります。(*営業許可に係る申請は原則書面にて申請) 

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防火管理者選任届 ~ 消防署

店舗の収容人数が30名以上の店舗の場合、申請が必要です。前述した通り、300平米以上、300平米未満で有する資格が変わりますので確認が必要です。

防火対象設備開始届 ~ 消防署

こちらの届出は、開業の7日前までに提出しないといけません。工事をする場合は、着工の7日前までに、「防災対象物工事等計画届出書」を提出しなければなりません。ただし、防火安全技術者という資格を持っている方がいれば、事前に工事内容を確認することで、提出義務はなくなります。内装を依頼する業者に確認しましょう。

火を使用する設備等の設置届 ~ 消防署

こちらの届出も場合によっては必要です。飲食店の開業で考えますと、1つの厨房室で使用する厨房設備の入力の合計が350キロワット以上の厨房設備になる場合には届出が必要です。使用する設備によってキロワット数が違うので、専門業者に相談しましょう。ただし、厨房がなくドリンクのみの提供となる場合この限りではありません。

深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書 ~ 警察署

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午前0時以降、アルコールを提供する場合に必要となります。開業後に、営業時間の変更などをする場合も、午前0時以降アルコールを提供する場合は必要です。

この届出は、後述する「風俗営業許可」とセットで申請する場合が多いので、まずご自分の店舗が、風俗営業許可が必要な業務形態か確認しよう。

*第一種地域では営業できません。(都市計画法で定める第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)

風俗営業許可 ~ 警察署

風俗営業許可は、該当するかどうかの判断が難しく、うっかり営業してしまったなどの罰則を受ける可能性もあります。

まんが喫茶やネットカフェなどでも場合によっては必要になります。

 
 
①許可が受けられない人
②許可が受けれない場所
③許可が受けられる場所でも大学や病院、保育所などがあり受けられない場合があります。

 

初めて、風俗営業許可を取得して開業する方などは、専門家に相談するのが賢明です。

個人事業の開廃業等届出書 ~ 税務署

個人事業主として飲食店を開業した場合は、開業から1か月以内に税務署に開業届を提出することが推奨されていますが罰則などはありません。

ただし「青色申告で確定申告」する場合は、提出が必要になります。

個人事業主が、「個人事業の開廃業等届出書」を提出する最大のメリットは、節税効果の高い青色申告を利用して確定申告ができることです。

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失業手当をもらっている場合は、失業手当がうけられなくなりますし、配偶者の扶養に入っている場合は、扶養から外れる場合もあります。

会社の健康保険組合によっては、以下2つのケースがありますので、確認してみてください。

・年収が一定を超えていなければ、個人事業主でも扶養には入れる

・自営業として起業した時点で扶養から外れる

扶養に入っていると健康保険を払う必要がありませんが、扶養から外れた場合はその限りではありません。

労災保険の加入手続き ~ 労働基準監督署

労災保険とは、仕事中や通勤途中の事故で怪我をしたり、業務が原因で病気になったりした場合に労働者や遺族に保障を行う制度です。

労働者を雇った場合、雇用した日から10日以内に加入手続きが必要です。労働者の人数に関係なく、一人でも雇ったら加入しなければなりません。

労働者を雇う場合、雇用主の義務になりますので、必ず10日以内に申請しましょう。

雇用保険の加入手続き ~ 公共職業安定所

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雇用形態に関係なく、31日以上雇う予定があり、さらに労働時間が週20時間以上になる場合は雇用保険に入ることは雇用主の義務となります。

雇用保険の加入に、雇用契約書の有無は問われません。

試用期間中であっても、報酬が支払われているのであれば、雇用保険の加入対象になります。

2017年より、65歳以上の従業員も雇用保険の加入が必要となっています。

社会保険の加入手続き ~ 日本年金機構

個人事業主として飲食店を開業する場合なら何人雇っていても加入義務はありません。ただし法人化した場合には社会保険の加入義務が生じます。自分一人だけが従業員であっても加入義務が発生します。

 

いかがでしたが、飲食店開業に必要な「資格」各種「届出」について頭の中を整理していただけましたでしょうか?

開業直前は、提供メニューを決めたり、試作、原価計算など、実際に店舗内でやることが次から次にあふれてきます。

余裕をもって準備することで、理想のお店をオープンさせていくことに近づきます。

飲食店の開業を決めたら、「食品衛生責任者」「防火管理者」は受講することで取得しておきましょう。

営業許可は、開業する場所や店舗が完成してからじゃないと審査を受けることができません。

余裕をもってスケジュール管理をし、飲食店開業への第一歩を踏み出しましょう!!

 

飲食店開業の流れ徹底解説はこちら

 

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